SNSで話題の「細い=美」論争とは?
X(旧Twitter)で投稿された、あるシンプルな疑問が大きな波紋を呼びました。
「細い=美 の時代はいつ終わりますか?」
― ミウチ(@_ix_u)
この投稿には7,000件を超える「いいね」が付き、さまざまな意見が寄せられています。
一部の人は「もう終わっている」と語り、またある人は「むしろこれからが本番」と主張――。
果たして、「細さ」は今も“美”の基準なのでしょうか? 本記事ではこの問いを多角的に考察していきます。
1章:時代によって変わる「美」の定義
戦後の日本では、ふくよかさ=豊かさの象徴として美しさとされる時期がありました。昭和〜平成初期には、山口百恵や松田聖子など、健康的な体型のアイドルが人気を博していたのです。
しかし1990年代後半以降、ファッション誌や芸能界の影響を受けて、「細い=美しい」という価値観が主流になっていきます。
💡この時期、ダイエット食品や美容器具などの市場が急成長し、「痩せること」が自己管理能力や魅力と結びつけられるようになりました。
2章:K-POPブームと“細さ”の再評価
近年のK-POP人気も、「細い体型=美」という価値観に影響を与えている一因とされています。
特に一部のK-POPグループにおいては、ウエストが50cm台とされるアイドルも存在しており、その細さが注目を集めています。
SNSでは「憧れのスタイル」と称賛される一方で、「過度な痩身では?」という懸念の声もあります。
Xの投稿では以下のようなコメントも見られました:
- 「病的に見えて心配になる」
- 「若いうちはいいけど、年をとると逆に不健康に見える」
- 「将来リバウンドしそうで怖い」
このように、痩せすぎへの健康面での不安を指摘する意見も一定数あるのです。
3章:多様な美しさを認める時代へ?
ここ数年で、少しずつ「細さ一辺倒」の価値観に変化の兆しも見えてきました。
欧米ではすでに「ボディポジティブ」運動が定着しており、モデルや俳優の体型も多様化。日本でもその影響は広がりつつあります。
SNSのコメント欄では、
- 男性の好みとして磯山さやかの名前が挙がるなど、ふくよかな体型を好む意見も見られる
- 細さを求めるのは女性側の見栄ではないかという意見もある
といった、多様な視点が確認できます。
また、フィットネスやウェルネス志向の高まりにより、「細い体型」よりも「健康的な体づくり」に注目が集まり始めています。
アンケート調査の結果から見る“体型と美意識”の現在地
2024年1月、MCTプラス・コンソーシアムが実施した「体形にまつわる意識調査」では、以下のような結果が明らかになりました。
質問内容 | 主な回答 |
---|---|
理想の体型に近づきたい・維持したいと思うか? | 約80.1%が「思う」と回答 |
体型を改善・維持したい理由 | 「健康のため」「自信を持ちたい」が多数 |
目標期間 | 約90%以上が「3ヶ月以内」 |
この結果からも、「細い」より「健康的」が求められている傾向が確認できます。
まとめ:細さだけが美しさじゃない時代へ
「細い=美」は、今なお一部では根強い価値観です。
しかし、SNSやリアルの場で語られる意見を見ると、「細い体型」だけにとらわれず、“自分が自分を好きでいられる体型”こそが理想とする人が増えている印象を受けます。
美しさの定義は一つじゃない。
それぞれの生き方や価値観に合った“自分らしさ”が美しい。
多様な価値観が混在するいまこそ、「他人の理想」よりも「自分の快適さ」を大切にする時代へと進んでいるのかもしれません。