2024年5月11日、東京・大田区総合体育館でWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチが開催されます。
日本の元王者・井岡一翔(36)が、昨年7月に惜しくも敗れたアルゼンチンの現王者・フェルナンド・マルティネス(33)に挑む、注目の再戦です。
試合を前に行われた調印式では、王者マルティネスが「減量はあと7キロ」とジョークを飛ばし、終始余裕を見せる姿勢を取ったのに対し、井岡は一貫して冷静。
果たしてこの試合、どちらが本当に優勢なのでしょうか?
マルティネスの発言や戦術、井岡の再起の可能性を、筆者の視点も交えて読み解きます。
減量あと7キロ発言の真相|マルティネスのコンディションは大丈夫か?
調印式で「あと7キロ減量しないと」と笑顔で話したマルティネス。
この発言に、場内は一時ざわめきました。
計量前日にしてはありえない数字であり、実際には「あと1キロ」とすぐ訂正したものの、この“ジョーク”にはいくつかの思惑が見え隠れします。
筆者個人としては、これはマルティネスの持ち味である“余裕の演出”だと思いつつも、やや実態を覆い隠す「煙幕」にも感じました。
体型を見ても、完璧に仕上がっているとは言い難く、実際にコンディション面に懸念があるのではと勘ぐってしまいます。
もしスタミナに不安があれば、後半のペースダウンは十分にあり得る展開です。
守備的戦法にシフト?ニコリノ・ローチェとは何者か
マルティネスは調印式で「パンチが来たら頭を左右に振る。ローチェのように」と語りました。
ローチェとは、母国アルゼンチンの名ボクサー・ニコリノ・ローチェのこと。
117勝中、KOわずか14という超守備型のテクニシャンで知られています。
しかし、あのマルティネスがローチェのようなディフェンシブなスタイルに完全に寄せるとは考えにくいのが正直なところ。
筆者は、これは井岡に「戦術を迷わせるための揺さぶり」だと見ています。
序盤は慎重に入りつつも、どこかでスイッチを入れ、打ち合いに持ち込むのが本筋でしょう。
井岡一翔、再起のカギは?年齢・経験・過去の試合から見る勝算
36歳という年齢で世界王座を再び目指す井岡。
一般的にはベテランの域に差しかかっており、「年齢的に厳しいのでは?」と見る向きもあります。
ですが、筆者としてはむしろその“経験の豊富さ”こそが最大の武器になると考えています。
過去の敗戦から得た教訓、プレッシャーに対する耐性、そして冷静さ。
これらは若手には真似できないアドバンテージです。
特にマルティネスが守備的な展開に持ち込むなら、井岡のポイントゲームが光る場面が出てくるはずです。
オッズでは不利?実際の評価と試合展開予想
海外のブックメーカーでは、マルティネス勝利が「1.3倍」、井岡勝利が「3.5倍」と井岡不利の評価。
ただし、これは前回の結果や年齢差など“表面的な情報”によるところが大きいでしょう。
筆者の予想としては、序盤にマルティネスが慎重な立ち上がりを見せれば、井岡がポイントを積み重ねるチャンスは十分。
逆に、マルティネスが早い段階で攻めてくるなら、井岡のディフェンス力と耐久性が試される展開になります。
試合の流れを決めるのは、第3~4ラウンドの攻防にありそうです。
まとめ|“不利”の評価を覆せるか
マルティネスの減量発言、戦法の示唆など、試合前から情報戦が激しく展開されています。
一方の井岡は、過剰なコメントを避け、着実に準備を進めている印象です。
確かにオッズでは“井岡不利”の構図ですが、これはあくまで数字の話。
試合はリング上で決まるものであり、予想を覆す瞬間こそがボクシングの醍醐味でもあります。
あなたはこの一戦、どちらに軍配を上げますか? 試合後にもう一度この記事を振り返ってみるのも面白いかもしれません。